こんにちは、ミセスゴーヤです。

かなりの長期間ブログの更新を怠っておりました。
元号も変わり、新たな気持ちでの新年度、
我が家でも生活リズムががらりと変化しています。

なんといっても子供の小学校入学で、
午前中の送りがなくなり、起床時間は早くなったものの
ゆったりと自分時間を持てるようになりました。

我が家では随分前からU-NEXTを契約しているのですが、
これを活用しようと、せっせと映画鑑賞をしています。
自分の備忘録のために、感想を書き留めていきたいと思います。

記念すべき一作目の感想文は、
「蛇にピアス」です。



蛇にピアス

この映画は、金原ひとみさんの小説が原作となり、故蜷川幸雄監督がメガホンを取った話題作でした。
2008年公開なので、もう10年以上前になりますね。

この作品の主演をオーディションで勝ち取ったのが吉高由里子さんです。
映画初主演ながら、ラブシーンも臆することなく演じ、当時かなりの話題になったようですね。

メーンで登場するのは、
吉高由里子さん扮するルイ、ルイの恋人となるアマ(高良健吾さん)、
タトゥーやボディピアスの店を経営するシバ(ARATA/井浦新)の三人。

あらすじサイトではないので、感想いきなりいきます。

まず、三人のアングラ感がすごいです。
ルイは一見普通の渋谷系ギャルですが、
自分という物がわからなくて、ふらふらふらふら。
闇へ闇へ向かうのが一番カッコイイぜくらいに思っていそうな
中身の無い19歳。
幸か不幸か可愛いんですよね。顔立ちが。
だから有象無象に男が寄って来ちゃう。
本人もそれをわかっているし。そこに依存するしか生活の術も心の拠り所もない。

ようは孤独ですよね。
孤独が孤独を引き寄せる。

クラブで出会ったアマは、徹底的にパンク。
更に、ルイの知らなかった世界、スプリットタンの持ち主。
スプリットタンとは、蛇のように先が二つに分かれている舌のことで、
舌ピアスをどんどん太いものに変えていき穴を拡げることで最終的に二つに割るという
一般人には信じられない人体改造。

検索すると画像が出るようですが、私はそういうものが苦手なので見ませんし
オススメもしません。

劇中では、かなりリアルなCGにより高良健吾さんの舌が本当に蛇のように見えました。

若かりし頃、実際いましたよ。
タトゥーいれたら人生変わると思って入れちゃって、
いま子供とプールに行くのに苦労してる。

ルイも、スプリットタンやタトゥーで自分が自分になれるなんて取り付かれたようになります。
アマが本当に好きかもわからないまま同棲して共依存していく。

アマの通っているボディピアス屋でシバと出会い
その危険な香りに惹かれてしまう。

シバの外見、本当にカルチャーショックでした。
いままで見たことがない。
顔中ピアスでスキンヘッド。
眼が完全に不安定。
なんていうか感情がなさそうでこわい。

初めにルイとシバが出会うシーンは、かなり共感ポイントがありました。
アマに「俺の彼女」といって紹介されるわけなんですが、
アマよりも大人で魅力的に描かれています。

彼氏に紹介された先輩が、彼氏よりイケてて、
出会う順番公開する。
これですよね。

普通はそこでなくなく彼氏との平穏を優先させる物なんですが、
ルイの価値観には一途とか信頼を築くとか、そういうものが欠けているんです。

だからこっそりシバと会っても、罪悪感は無くて、
自分の興味や快楽優先なんですよね。

アマが可哀相と思いましたが、
アマもアマで、自分の本当の事を話すわけでもないし聞くわけでも無くて。
一時の間、孤独から目をそらすための共依存。

観ていて、心がヒリヒリしました。

アマとシバ、それぞれに依存しながら
結局スプリットタンなんて、なんにもならないんじゃんと気付くルイ。

ラストはネット上で色々憶測を呼んでいましたが

結局男に依存しつづける生き方には限界があると
心から安らげる瞬間はないと虚しくなったのかなと感じました。

妊娠したんじゃないかという感想も見かけましたが、
そうなっても自分のことを優先して生きていく若い女の子の話だったなと思いました。

ストーリー展開はあっと驚かされる部分があって、
話もキャラクターもよく創られているのですが
登場人物が一人も幸せじゃなくて、
見終わった後、自分も不幸な世界にいるような感覚になりました。
作り手側からしたら、そこまで心を揺さぶったのだから成功ですよね。
ですが、もう一度観たいかと問われると…

吉高由里子さんのお芝居が話題になっていたようですが、
私は新さんのお芝居が凄いと思いました。

シバって、すごく怖いんです。
他人をどうとも思っていないような冷たい怖さ。
その割に、幼さが滲むところがあって
ルイのタトゥーの代償に
「エッチ1回」って言ったり。
言葉の言い回しとかが、統一感が無くて。
後半のルイへも愛情深さもサディストの対極にあって。
本当にサイコパスなようで、単なるスタイルとしてのサディストのようで
こちらを混乱させてくるお芝居でした。
計算ならすごいけど…

吉高由里子さんは確かに体当たりなお芝居でしたが、
文字通り体を張ったという感じ。
女性目線だと、服を脱ぐことに感激とかないので。

高良健吾さんは、狂気と幼さのコントロール出来ない感じを
演じきっていて、他の出演作を観たいなと思わされるお芝居でした。

私は、三十代で過去に失敗もあるし
いま何より大切な自分の子供という存在に会えている人間なので、
この映画に共感する部分はかなり少なかったです。
若い世代の人には、こんなふうな暗い毎日にしてはいけないという
教訓のように観てもらえればいいけど、
かっこいいなとか、こういう暮らしが憧れるとか思わないで欲しいと思いました。

特に女の子には、どんなにつまらない毎日だとしても
自分を軽んじたり、大切にしない行動をしないでほしい。

孤独と孤独が身を寄せ合ってもハッピーエンドにはならないと思うから。

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